日銀のマイナス金利導入は未だにトリクルダウン信仰を継続
している証しに過ぎない。
安倍政権の御用新聞・産経新聞が「異次元緩和 再び活性化」
という見出しで解説しているが、図らずもこう書いている、
「金融緩和による円安・株高効果はかつてほどではないし、
企業収益増に伴って富が賃金面に滴り落ちる『トリクルダウン』
も『ちょろちょろとしている』(浜田宏一内閣官房参与)」。
だからマイナス金利で「再び活性化」すると言いたいらしい。
いくら金融緩和を進めても、「トリクルダウンはない」という
結論は、一時はアベノミクスに幻惑されて、評価するミスを
犯したクルーグマンもスティグリッツもトマ・ピケティも、
最近では認めていることだ。
竹中平蔵も、わしの目の前で「トリクルダウンに期待する方が
おかしい」とまで言ってのけた。
それなのに、日銀はマイナス金利で、銀行が企業に貸し出しを
せざるをえなくなり、企業は資金を借りて設備投資や賃上げをし、
景気の好循環が実現すると、またまたトリクルダウン信仰の
継続である。
そりゃあそうだろう。アベノミクスにとってトリクルダウンが
ないということになれば、異次元緩和をやった意味がない。
だが銀行は日銀の当座預金に預けても損するだけだから、企業に
貸し出すしかないと思ったところで、企業の側が設備投資をする
自信がないから借りたくはない。
むしろ金融機関の収益が悪化する危険も考えられる。
奇策を出せば、一瞬、株価が上がるだろうが、相場の乱高下で
投機家を喜ばせるだけで終わる。
結局、日銀ももはや手詰まりで、追い込まれた果ての奇策なのだ。
一体どうなってしまうのかしらね?
「朝ナマ」でも、あんなにアベノミクスを応援したのにね。




















